化鳥(けちょう)‐泉鏡花 現代語訳集別冊26

化鳥(けちょう)‐泉鏡花 現代語訳集別冊26

販売価格:90円 (税抜)
状態 完成
最終更新日 2016年04月09日
ページ数 PDF:27ページ
内容紹介

【あらすじ】

おもしろいな、おもしろいな、お天気が悪くって外へ出て遊べなくってもいいや。ほら、笠を被って、蓑を着て、雨の降るなかをびしょびしょ濡れながら、橋の上を渡って行くのは猪だ…

寒い日の朝、雨の降ってる時、私の小さかった時分、そんなふうに窓から顔を出して見ていた私は、ふと、学校の女の先生から憎まれていることを思い出した。

「この世で人間ほど優れたものはない」と教える先生に、「いえ、生きものはみんなおんなじです。それに、先生より花のほうがずっときれいです」と言ってしまったことが、その原因らしい。

これを母様に話すと、「そんないいことを知っている人は他にいないのだから、言ってもわかってもらえませんよ」とおっしゃる。

雨に濡れてかしこまっている、川岸に繋がれた猿を見て、もう一つ、以前、こいつのせいで川に落ちたことが頭に浮かんできた。

その時私を助けてくれたのは、「大きな五色の翼のある、美しい姉さんです」と、母様は言う。

見たいな、その美しい姉さんを―この気持ちを抑えきれず、私はそれから、毎日毎日探し始めたのだった。

目次
奥付
奥付