雨ばけ‐泉鏡花 現代語訳集別冊17

雨ばけ‐泉鏡花 現代語訳集別冊17

販売価格:44円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2016年04月08日
ページ数 PDF:7ページ
内容紹介

【あらすじ】

古い土塀や、破れた垣が、曲がりくねって長く続く屋敷町を、今にも雨の降りだしそうな陰気な夕暮れ時、中国の役人が一人、従者を従えて通りかかった。

ふと見ると、何ものかが青牛の背にしょんぼりと乗り、「とう、とう、とうとう。」と低く口の中で呟くように呼びながら、濡れたように目の前を行く。

道を空けるよう叱りつけたが、相手はまったく意に介さない。

いきり立った従者が、「無礼ものめ。この下郎が。」と怒鳴り、肘を張って突くと、『ぽん』と、首が落ちて、落ち葉の上へ、ばさりと仰向けに転がった。

驚いたのは、その首のない胴体が、鞍を一つ揺すると同時に、青牛の脚が早くなってさッと駆け出した事だ。

その正体を見届けようと追いかけると、それは石垣も土塀も雑草の茂みに覆われた、大きな屋敷の門内へと入っていった。

目次
奥付
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