泉鏡花 現代語訳集21 神鑿(しんさく)

泉鏡花 現代語訳集21 神鑿(しんさく)

販売価格:450円 (税抜)
状態 完成
最終更新日 2018年01月24日 3年以内
ページ数 PDF:81ページ
内容紹介

【あらすじ】

香村雪枝が七つの時、書記官だった父が、巡回先の飛騨の山間の村から、美しい二十くらいの女の彫像を持ち帰った。

重ねた両手が、ふッくりしていて、肩が揺れると、ころりん、ころりんとそれは実に、何とも微妙な音がして幽かに鳴った。

その像が目にも心にも身体にも焼き付いて離れなかった雪枝は、後に彫刻家となる。

あの土地には私の師匠がいる、是非とも訪ねたい―と、信者が善光寺、身延山へ巡礼をするほど切実に願っていたが、いざ、実際、という時、信仰が鈍って、遊びの旅行になった。

婚礼をしたばかりの夫婦連れとして来たのである。

それが祟ったのか、夕暮れ時、仮小屋のようなみすぼらしい小店を覗いて、来世の契りの有無を賭けるための賽子を買い求めた時、隣に袖を並べている新婦の姿が、ずッと離れて遥かな向こうへ…

そして、城跡の天守に棲む怪しいものから、女を返して欲しければ、その身代わりとなる美しい像を刻んで差し出せ―との要求を突き付けられたのであった。

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